2005.06.26

「ろくべえ まってろよ」


ろくべえまってろよ  ろくべえまってろよ
 灰谷 健次郎 (著), 長 新太 (イラスト)
 出版社: 文研出版
 ISBN: 4580813936 ; (2005/02)


 ここしばらく忙しくてココログの記事更新もままならないくらい時間に追われるようになってしまったσ(^^;)ですが、この生活はまだもう少し慣れるまで続きそうです。自分なりのリズムが掴めるようになれば、もう少し余裕ができるとは思うのですが・・・。 いまだ書きかけのまま完成していない記事がいくつかあるので、それは追々書いていくつもりではいます。

 わたし個人のことは置いといて。
 今日は、久々にある絵本について書いてみようと思い、しばらくぶりに記事をアップしようと思います。
 タイトルの絵本についてです。

 今日なぜこの記事を書こうかと思ったかと言うと、あるニュースを目にしたからです。
 http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20050626i504.htm
 その記事は、読売新聞のものです。
 掲載期限が切れると見られなくなるかもしれないので、以下に引用します。


絵本作家の長新太さん死去
 絵本作家の長新太(ちょう・しんた、本名・鈴木●治=すずき・しゅうじ)さんが25日、中咽頭ガンのため東京都内の病院で死去した。77歳。(●は「秋」の下に「手」)
 告別式は7月1日午前9時半、品川区西五反田5の32の20桐ヶ谷斎場。喪主は妻、フミさん。自宅は公表していない。
 1958年に絵本を初出版してから、ナンセンスとユーモアのある作品をカラフルで暖かみのある配色で描き、これまでに400冊以上を発表した。代表作は「おしゃべりなたまごやき」「キャベツくん」「ゴムあたまポンたろう」など。読売国際漫画大賞の選考委員も務めていた。
(読売新聞) - 6月26日13時24分更新

 その記事を目にして、わたしは、長新太さんが絵を担当なさった絵本を持っていたことを思い出しました。
 学生の頃、教育実習で幼稚園に行った時に、実習生が交代で毎日帰りに必ず絵本の読み聞かせをするという時間がありました。一クラスに5~6人の実習生がいたので、1週間に1度は必ず当番が回ってきました。実習は1か月ほどで毎回何を読もうかな~と悩みましたが、その悩んで選んだうちの1冊がこの「ろくべえ まってろよ」でした。
 幼児(3~6才児)への読み聞かせというのは、本を選ぶのが実は意外に難しくて、わたしはわたしなりにいくつかのポイントを絞って選んでいたのですが、そのポイントに合う絵本はなかなかなくて苦労しました。
 読み聞かせ用の本と自分の好きな絵本というのは、ちょっと別物なのだということをこの時気づきました。わたしは、それまでは、絵が綺麗なものが好きで永田萠さんや津田直美さんなどの絵本が好きで持っていたのですが、それは必ずしも子どもに向けたものではなくて、どちらかと言うとわたしが持っていたのは「大人のための絵本」ばかりでした。

 そこで、わたしが読み聞かせのために必要かなと考えたポイントは以下の5つ。
1.絵に魅力がある・・・綺麗なだけじゃダメ!迫力や面白さが必要!
2.ハナシが単純なこと・・・登場人物が多すぎず、複雑な舞台設定はハナシが掴みにくい
3.言葉が分かりやすい・・・年齢に合ったもので普段使い慣れている言葉の方が親しみが沸きやすい
4.絵がごちゃごちゃしていないこと・・・まとまった人数への読み聞かせは、絵が大きくないと子どもが見づらい
5.会話調の言葉遣いで書かれていること・・・読む側としては感情移入して読みやすい
 この条件に合ったものを探すというのがマイポリシーでした(笑)
 これがなかなか難しくて、そのわたしのこだわり条件に合格して、見事読み聞かせ絵本にこの「ろくべえ まってろよ」も選ばれたという訳です(笑)

 ストーリーは、とても単純でほとんどお芝居(舞台演劇)の世界と一緒で、ずっと同じ場所で話が進みます。
 台詞も臨場感に溢れていて、読み聞かせする側としても、とても読みやすくて助かりました(笑)
 話は、穴の中に犬のろくべえが落ちてしまったといところかに始まります。
 どうなることだろうと思いながら、次は?次は?と、話に引きこむ力のある力強い絵も魅力です。
 そんな懐かしさを持って今日はこの絵本を取り出して来ました。
 長新太さんのご冥福をお祈りいたします。

追記:アマゾンには表紙画像がなかったのですが、探したところ、
@nifty Books(bk1)の方には表紙の画像がありましたので、リンク貼っておきます。
ろくべえ まってろよ

2005.05.01

「結晶物語 水が教えてくれたこと」


結晶物語    サンマーク文庫   結晶物語 サンマーク文庫
 江本 勝 (著)
 価格: ¥735 (税込)
 文庫: 189 p ; サイズ(cm): 15 x 11
 出版社: サンマーク出版
 ISBN: ISBN: 4763181785 ; (2003/06/19)


 この本と出会ったのは、一昨年の夏(図書室のブログにも書いてます→コチラ)。
 暑い毎日が続いていたので、表紙が雪の結晶の写真で、とても涼しそうに見えて思わず買ってしまいました。
 そして、読んでみると「涼しい」以上に心が洗われるような気がして、読み終わった後すがすがしい爽やかな気持ちになりました。
 詳しい内容は、そちらの方に書いたの省略して、つらつらと思ったことを書いてみます。
 「ありがとう」などはプラスの世界の言葉だと思います。言われて嫌な気持ちになる人ってまずいないですよね。そう言われることによって、人間関係だってスムーズに行くことが多いはずです。それに対して、「ばかやろう」などという言葉は、マイナスの世界の言葉だと思います。それを言ったことによって、そこで人間関係が終わってしまうかもしれない負の言葉。結晶の世界はそういうプラスマイナスの感情を敏感に表します。この説を非科学的だと見る人もいるようですが、わたしは言葉の持つ力を侮るべきではないと思います。言葉は世界を変えるものと言っても過言ではないですからね(^^)

 この本を読んである昔話を思い出し、タイトルを忘れてしまったので、タイトルを教えてほしいと以前ある所で書き込みをしたところ、「シャルル・ペローの『宝石姫』というお話では?」と教えていただきました。
 ※「せんにょのおくりもの」というタイトルで絵本も出ていたようです(コチラ参照)。
 この話を読むと、もしかしたら、美しい言葉を話している時には、わたしたちには見えないけれど、結晶物語にあるような美しいものが周りにあふれているのかもしれないと思えてきます。
 反対に、汚い言葉や嫌な言葉を話すと、自分が嫌なものを発しているのかなぁという気持ちになることがあります。
 嫌な言葉を言っている時は自分が嫌になるし、聞いている人も嫌だろうなぁと思い、できれば言いたくないなぁと思う言葉は、言わずに済むのならどんなに気が軽くなることかと本当に思います。そのせいか、本当にイヤだと思う言葉は、思っていてもなかなか言わないようになった時期がありました。その時発散したいだけのどうでもいいことは簡単に出てくるんですが、心に溜めていたことに限って言わなかったり・・・。そういうことを言うのもイヤだと思っている自分がいる限り、結局は言わないまま時間は過ぎていくし、今になって思えば、言わなくてやっぱり良かったのだと思うようなことも多々あります。

 言葉や音楽には形や色はないけれど、力はあるのだと思います。できることなら、その良い方の力だけ、享受できたらいいなぁ・・・といつも思います。
 イライラしていたり、モヤモヤしたり、そんな気分の時に読むと、心が洗われるような本なので、おススメの一冊です(^^)

2005.04.26

「地球の午后三時」


地球の午后三時    MF文庫―さべあのま全集  地球の午后三時 MF文庫―さべあのま全集
 さべあのま (著)
 価格: ¥580 (税込)
 文庫: 229 p ; サイズ(cm): 15
 出版社: メディアファクトリー
 ISBN: 4840110166 ; (2003/12)


わたしが持っているのは、朝日ソノラマ版(ISBN: 425791713X)
 ※現在絶版

 わたしは、子どもの時から本を読むのが好きでした。
 小学生3年生になって学校の図書館で本を借りれるようになった頃は推理小説が好きで、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズとかシャーロックホームズとか怪盗ルパンなどにハマりました。全部学校の図書館で借りて読んでいたので、そのうち全部借りてしまい、借りるものがなくなったわたしは、「少年少女世界の文学全集」みたいなタイトルのものを順番に借りていくことにハマりました。
 この全集シリーズは、ほとんど50冊くらいで成っているので、小学校を卒業するまでにお陰で退屈せずにすみました(笑) 結局、卒業するまでに、全集シリーズは3シリーズ読破していました(^^;)
 今思えば、よく読んだなぁと我ながら感心してしまいます(笑) 「全集」というだけあって、古事記、ギリシャ神話、聖書なんて大昔のものから現代のものまで、まさに乱読というしかないです。

 そういう乱読時代を経て、今では自分の好きなものを中心に読むようになり、本にのめりこみ始めた頃のように何でも読むというようなことはなくなりました。読んだとしても、何らかの必要に迫られたりしないと(知識として必要になったりとか)今では興味のないものにはなかなか手を出さないようになってしまいました。

 わたしは、言葉というものにすごく興味を持っています。
 思春期の頃は、心の中に抱えている想いを自分自身の言葉で表せないもどかしさみたいなものを常に感じていました。
 ですから、「あぁ、これだ。わたしが言いたかったことはこういうことなんだ。」とわたしの気持ちを代弁してくれている、共感できるような本や曲に強く惹かれるようになりました。自分ではうまく表現できないことを的確な言葉を紡いでいく人たちには尊敬の想いを抱きます。
 自分の気に入った言葉を本からノートに書き出して、好きな言葉ノートみたいなものを作っていたこともありました。
 今になっても自分の想いを言葉にするというのは、難しい作業だなぁと思っているのですが、そういう時は、本の中の言葉や曲の歌詞を出してくることで代わりに伝えられるのではないか?と思います。

 このコミックもそんなわたしのアンテナにピピッと引っかかってきた1冊です。
 わたしの手元にある本の奥付を見ると、出版日付は昭和57年11月となっています。そんなに古い本だったのか(^^;)とちょっと驚きです。
 でも、本との出会いはもっと後で、学生の頃中古書店で入手しました。
 さべあのまさんの本は、これ1冊しかないのですが、お気に入りの1冊です。
 古い本なので、今でも持っている人の方が、少ない本なのかもしれません。わたしのも古くて紙も焼けちゃっているし、今だったら、中古書店でも手に入れづらそう(^^;)
 しかし、今は文庫本で出ているようなので、サイズは小さいですが、入手することは可能なようです。

 本には、9つの短編が収められています。
 コミックのタイトルになっている「地球の午后三時」という話がすごく好きです。
 他の話も、ちょっと懐かしくて、しんみりするようなそんな感じです。
 「綺羅星」は高校生の頃を思い出すような話。自分の存在を何とかして外に発信したいと思っていたことを思い出させられます。
 「ふぇいどいん ふぇいどあうと」は、昔行きつけの喫茶店で知り合った友人から電話が来て、近況報告しながら、今と昔がフィードバックしながら進むという、コミックというよりは、イラストと文章で綴られているお話です。古いアルバムを開いたら、その頃の思い出がわーっと蘇ってきて、懐かしさでいっぱいになる、という感覚に似ているお話です。

 わたしの好きな言葉を紹介します。絵も一緒だともっといいんだけど。。。(^^;)
 「地球の午后三時」より ユッカ大将の台詞

 人は なるよーにしか ならないし
 あるがままに 生きれば いいのさ

 何でも 最初からきまりきったように わかってるなんて つまらんだろ?

 あせることはないさ
 時間は たっぷり あるんだ

 今よりも もっと すなおに 自由に なってみろよ

 そうすれば 君のさがしものも みつかるってもんさ!

 そう……
 それは キミにむかって ゆっくりゆっくり進んでいるのさ
 今だってね……

 そして いつかきっと キミのところへやって来るんだ
 かたつむりの背中に 乗っかってね

 幸せがカタツムリの背中に乗ってやってくるなんて考えると、のんびり待っててもいいかなぁという気持ちになりますね(^^)


 「綺羅星」より ラストの言葉

 わたしたちは 思いたいです
 わたしたちは綺羅星です
 はるか彼方の 地球のという星の
 地上に輝く 綺羅星です

 この言葉、すごく好きでした。
 一人一人が地球上に輝く星なのだと思えば、全ての人が地球という宇宙を形作っているのだという気持ちになります。

2005.04.20

ブクログ再び

 ブクログというサービスがあります。
 何が出来るのかというと、WEB上に仮想本棚を作れるのです。
 登録はいたって簡単。アカウントを入力すれば簡単に本棚が作れます。
 Amazonとリンクしたサービスなので、本だけじゃなくて、CDも登録できます。
 そして、同じ本を登録している人を辿れたり、登録内容の似ている本棚とリンクしたり、と楽しい機能もついています。
 また、散らかすというモードを選ぶと、本棚に入っている本を並べて表示できるので、なかなか楽しい♪
 人によっては、これから買いたい本リストにしたり、読んだ本を登録してみたり、と色々な使い方があるみたいですが、わたしの場合は、自分の本棚に入っているものをそのまま入れることにしました。ただ、古い本が多いので、画像がなかったりするのも多かったりするのが難点なのですが・・・。

 で、去年このサービスを知って、rekko's bookshelfという本棚を作ったのですが・・・。

 パスワードを忘れてしまい、更新ができなくなりました(涙)

 登録しても画面上でパスワードが発行されるだけで、特に登録完了メールが来るということもないので、控えも残っておらず、それが仇になった模様・・・。
 ってことで、本棚に追加が出来なくてそのまま放置していましたが、他に方法もないし、仕方ないので再登録して新しい本棚を作りました。
 新しい本棚はコチラ
 名前は、新しい方なので、rekko's bookshelf newにしました。当然この本棚と似てるかも本棚には更新不可能になってしまった古い方の本棚がリンクしています(汗)
 同じ本を登録し直したのだもの、当たり前なんですが(^^;)

 後で追加された機能で、ブクログの登録情報へブログからトラックバックが送れるようになったので、その本についてトラックバックして、本のレビューは、短めにしました。短く書くっていうのも結構難しいものですね。
 そんな訳で、しばらく放置していたブクログは新たにアカウントを取り直したので、ブログのサイドバーのリンクも直しました。

2005.04.19

「リリパットランド」


リリパットランド  リリパットランド
 ひらいたかこ (著)
 価格: ¥2,548(税込)
 大型本: 59 p ; サイズ(cm): 26
 出版社: 鈴木出版
 ISBN: 432301239X ; (1990/11)


 先日、小人のお話について書いたので、小人つながりで、この絵本を紹介します。
 実は、小人にまつわる話というのが好きで、他にも色々読んでいたりするので、また機会を見つけて書いてみたいと思います(^^)

 わたしは、ひらいたかこさんと言えば、マザーグースの挿絵を描いた人という印象が強かったのですが、書店でこの絵本を見つけた時、即買いしてしまいました(^^;)
 これも結構前の本で、出版は1990年です。

 構成は、ティンクル一家とホッパー一家という小人の一家の四季折々の姿を描いた二部構成になっています。
 絵本というより、画集と言ってもいいかもしれません。短い文章がついているけれど、絵を魅せるという感じの構成に近いです。
 ひらいたかこさんの絵は、黒インクの輪郭に、彩色はカラーインク(だと思う)でされていて、色のグラデーションがとても綺麗です。
 たぶん原画で見たら、もっといいんだろうなぁ~と思います。一度見てみたいですが、都会でしか、展覧会はやっていないのです(/_;)
 この中では、わたしは秋の情景を描いたものが好きです。
 きっとポストカードになっていたら、季節のお便りを描くのにいいなぁと思います。どこかで販売していないかな~?

2005.04.15

「ルウルウはちいさなともだち」


ルウルウはちいさなともだち  ルウルウはちいさなともだち
 小沢真理 (著)
 価格:
 新書: サイズ(cm):
 出版社: 講談社(KCフレンド)
 ISBN: 4063027597 ; (1989/02)


 メアリー・ノートンの「床下の小人たち」というお話を知っていますか?
 イギリスの家では、床下に小人が暮らしている、というお話です。
 小人たちは、「借り暮らし」と呼ばれ、人間の持ち物を「借りて」暮らしています。
 なので、ボタンとか針抜きとか細々したものがなくなると、借り暮らしの人たちが持って行ったのよ、と言われているのです。

 そんな借り暮らしの小人たちが日本にいたら?というのを形にしたのがこのお話です。
 小沢真理さんといえば、「世界で一番優しい音楽」とか「ニコニコ日記」などはドラマ化されているので、知っている方も多いと思います。
 この本は、1989年の出版で、「世界で一番優しい音楽」より前の作品です。

 最初の主人公は、りり子。
 子どもの頃の思い出を語る形で物語は始まります。
 りり子は、ぜんそくがちで学校を休みがちのため、家にいることが多い女の子でした。
 リボンやハンカチがよくなくなるようになり、お母さんは、りり子がなくしたのだと取り合ってくれません。
 ある日、机の下にリボンがするすると消えていくのを目にしたりり子がリボンの端を掴むと、そこには、小さな小さな女の子がいました。
 それがりり子とルウルウの出会いでした。
 ルウルウは、たった一人でりり子の家の床下に住んでいたのです。
 2人は、すぐに仲良くなり、ルウルウが元々はお父さんとお母さんが横浜の中華街で暮らしていたことを知ります。
 ルウルウがお父さんとお母さんを探したいと思っていることを知ったりり子は、2人で横浜まで出かけますが、そこで2人ははぐれてしまい、その後、二度と会えませんでした。

 というのが、1話目のあらすじです。
 2話めからは、りり子とはぐれたルウルウのその後のエピソードが描かれています。
 このお話を読むと、「クリスマスにサンタがいる」というのと同じように、「ルウルウのような借り暮らしたちがいる」というのも信じたいという気持ちになります。
 「床下の小人たち」は、イギリスのお話ですが、これは日本のお話なので、とっても親近感があります(^^)
 また、インテリアもかわいいのに加えて、ルウルウのアイデア満載の借り暮らし生活がとってもリアルに描かれていて、それもまた楽しいです。ちょっとドールハウスを作る楽しさに似ているかもしれません。

 わたしとしては、ぜひ続編を描いて欲しいなぁと思うのですが、残念ながら出ていないようです。
 15年前の作品なので、入手は難しいかもしれませんが、おススメの1冊です!
 手に入るとしたら、中古書店かオークションでしか手に入らないと思いますが、投票で絶版になった本や現在入手不可能な本を復刊しようというサイト復刊ドットコムでこの「ルウルウはちいさなともだち」の復刊ページがあります。ページはコチラ。読んでみたい方はぜひ投票してみてください(投票には会員登録が必要です)。

2005.04.04

「おひしゃまだっこしてきたの」


おひしゃま だっこしてきたの おひしゃま だっこしてきたの
 今井 和子 (編集), 村田 道子 (編集)
 価格: ¥1,631 (税込)
 単行本: 207 p ; サイズ(cm): 19 x 13
 出版社: アリス館
 ISBN: 4752000520 ; (1996/08)


 この本と出会ったのは、かなり前の話です。
 実は、正確にいつかは覚えていません。
 本が出されたのが、1996年とありますから、それよりは後でしょう。
 わたしは、学生時代は幼児教育を専攻していたので、幼稚園での教育実習にも行きました。本屋さんでたまたまこの本を見かけた時、その時のことを思い出してつい買ってしまった訳です。

 この本は、いわゆる幼児と呼ばれる年齢の子どもたちのことばを集めた本です。
 周りに小さい子どものいる環境にある方はご存知だと思いますが、子どもの発想って、全然大人の及ばないところにあるんですよね。
 読んでみると、不思議と笑みがこぼれてきます。
 心の中がほんわかとした気分になります。
 人間は大人に近づいていくと、子どもだった時のことを少しずつ忘れていってしまいます。
 それはそれで「成長」という発達の過程でもあるのですが、この本を読むと、忘れてしまうのも哀しいなぁと思います。
 この本は、そういう気持ちを思い出させてくれるのです。わたしは、せめて子どもが何気なく言った言葉を「あらそう」と聞き流すような大人にはならないように気をつけたいなと思わせられます。

 ついでに、わたしが学生時代に実習に行った時に印象深かった出来事もいくつか紹介します(^^ゞ


 先生(男)と誕生日が同じという女の子がいました。
 で、その子と友達の会話。
園児 「○ちゃん、先生と結婚するんだよ」
私 「え、どうして?」
園児 「だって、誕生日一緒なんだもん!」
私 「・・・(どういう思考回路や)」


 今日で実習が終わりという日、ある男の子が怒ってばかりいるのです。
 で、帰りの会が終わって、降園時間になってからやっとその訳が分かりました。
 「先生のこと、好きだって言ったのに~」と。
 好きだって言ったのに、今日で実習が終わりで、もう会えなくなると怒っていたということが判明。
 その子にとっては、「好き」と言えば、「ずっと会える」ということだったらしいです。
 だから、好きって言ったのに、どうして大学に帰っちゃうの、と怒っていたみたい。


 女の子たち数人と外国に行ったことがある?という会話をしていた時のこと。
園児 「あたし、ハワイに行ったことあるよ」
私 「すごいねぇ、先生は外国なんてまだ行ったことないよ」
園児 「でもね、あたしはあまり行きたくないんだけどね」
私  「そうなの?」
園児 「うん。でも、ハワイに行くと、お父さんとお母さんが喧嘩しないから、一緒に行ってあげてるの」
 「・・・(^^;)」

 子どもって、目の付け所が面白いですよね(^^)
 でも、たまに大人の言ったことを覚えていて、とんでもないところで言ったりしますので、注意は必要ですね~。
 幼稚園とかでこどもの話を聞いていると、そこのお父さんとお母さんの仲が結構バレバレだったりしますので・・・(苦笑)

2005.03.23

「ビッグキッドブルース」


ビッグキッドブルース  ビッグキッドブルース
 榛野なな恵 (著)
 価格: ¥754 (税込)
 コミック: 446 p ; サイズ(cm): 19
 出版社: 集英社
 ISBN: 4088550374 ; (1990/05)


 前に紹介した「Papa told me」の作者、榛野なな恵さんの初期の頃の作品です。
 わたしの手元にあるこのコミックは、1984年の出版となっていますので、このAmazonからお借りした表紙画像のものとは表紙の絵が違っています。わたしが持っているものは、もう既に絶版になっていて、通常の定価ルートでは入手はもうできないようです。
 こんなに昔から榛野さんのファンだったわけではなく、ファンになってから、偶然中古書店で入手したものです。

 物語の主人公は、19歳の浪人生・りら。
 彼女は、通っていた高校の附属の女子大へエスカレーター式に進学はせず、自分の夢をかなえるために理工系の難関の大学を受け、不合格となり、再度挑戦するためにアルバイトをしながら、浪人中。
 それなのに、家族は、りらの心を分かってくれない。それどころか、女の子の浪人は体裁が悪いと、りらの知らないところでは、見合いをさせて結婚させようと話が進んでいた。
 そんなりらの唯一の見方は、義姉の弟である正嗣氏。正嗣氏は、独身の売れない小説家をしている。
 血のつながりはないのに、正嗣氏とりらは同じ波長の持ち主で、何かと相談に乗ってくれる。
 見合いの話を持ち出されたりらは、家出して、正嗣氏のところへ行く。そこには、居候の日原というホストをしている男がいて、今までりらの周りにはいなかったタイプで、そんな3人が一つ屋根の下で暮らし始める。

 というのが、このストーリーの出だしです。
 これ以上はネタバレになってしまうので、書きませんが、わたしはこの感じは好きです。
 この本が描かれた時点では、まだ「Papa told me」は描かれていないのですが、読んでみると、この本が「Papa told me」の下地になっているのではないかという気がします。
 「正嗣氏-りら」が「パパ-知世ちゃん」となっていったのかなぁ?と思います。
 「Papa told me」の好きな方は、ぜひ探して読んでみてください!

 この中には心を打たれる言葉の数々があります。
 その言葉の裏側にあるものは、とても強い心のような気がします。
 優しくて、でも、ちょっとやそっとでは、負けない心。
 理不尽なことや嫌なことは絶対なくならないけれど、自分を信じて、諦めないことがその強さに繋がるのではないかと。

 世界は、あなたが思っているほど甘くない。
 そう語りかけ、「あなたのためなのよ」という言葉を大義名分にして、枠にはめようとする人たち。
 それは、本当の思いやりなの?
 負けないでね。
 あなたの行く道の向こうには、きっと探し物が待っているから。
 あなたのことを見守っていてくれる存在はきっとあるのだから。
 少しずつ自分のペースで歩いていけば、新しい世界は開けていくよ。

 そんなメッセージを感じずにいられません。
 明日への応援歌、だと思います。

2005.03.22

「朝顔の朝」


朝顔の朝 陸奥A子  朝顔の朝 陸奥A子collection (2) YOUNG YOU特別企画文庫
 陸奥A子 (著)
 価格: ¥650 (税込)
 文庫: 295 p ; サイズ(cm): 16
 出版社: 集英社 ;
 ISBN: 4087851397 ; 2 巻 (2000/03)


 この本には、表題作の「朝顔の朝」他6本の読みきり作品が入っています。
 わたしがこの本を買ったきっかけになったのは、「朝顔の朝」が入っていたからです。
 ずっと昔に、何気なく立ち読みした雑誌に載っていて、それをもう一度読んでみたいなぁと思っていたところで本屋に行ったら、文庫コミック化されていたので、速攻で買いました(^^;)

 わたしは、この作品を読むと、泣いてしまいます。
 哀しくなってしまうのです。
 運命って残酷…と思わせられます。
 そして、いつもわたしが同じ立場だったら、どうするのだろうか?
 もしくは、反対の立場だったら?
 そう考えてしまうのですが、いまだに答えは出ません。

 でも、この作品を読んだ後、SMAPの草彅くんがやったドラマ「僕と彼女の生きる道」を見たら、嘘をつき続けない方が幸せなのかもしれないと思ったりもしました。
 一緒に戦うのもあり、だなと。

 ただ、ひとつ言えるのは、自分が「先に逝かない」ことが周りへの精一杯のできることかな、と思うようになりました。
 病気にならなくても、事故に遭うかもしれないけれど、自分の努力でカバーできるところはカバーして、頑張って生きたいと思わせられました。

 一応ストーリーを紹介します。
 少しネタバレになっちゃうので、読みたい人は読まないでくださいね(^^ゞ

 果織は、恋人・洋介と付き合って4年になります。次の年の6月に結婚しようと決めていました。
 ところが、そんな幸せの中にいた果織を突然病魔が襲います。余命はあと1年もない、と。
 彼女は、周りの家族や恋人に本当のことを告げず、最期の日まで病気であることを隠し続けることを決意します。
 毎日毎日生きているだけで幸せと思いながら、少しずつ死に向かって行き続ける日々。

2005.03.10

「絵本 ことばあそび」


絵本ことばあそび 絵本 ことばあそび
 五味 太郎 (著)
 価格: ¥1,260 (税込)
 単行本: 48 p ; サイズ(cm): 25
 出版社: 岩崎書店
 ISBN: 4265903045 ; (1982/01)


 またまた五味太郎さんです。
 この本は、前に紹介した「ことばあそびうた」と同じ系統といえるかもしれません。
 日本語の面白さを色んな面から追求していて、それがまた楽しいです。
 「ことばあそびうた」は、ことばと絵がそれぞれ違う方が描いていましたが、こちらは、全て五味太郎さんの手によるものです。
 五味さん独特のコミカルな絵がよく合っています。

 知らない方のために、、、
 五味太郎さんの仕事(絵)で有名なところのは、「パナソニック」のCMなら目にしたことがあるかもしれません。アニメで描かれたパナソニック坊や(?)と犬を描いたのが五味太郎さんです。
 そういえば、岡山のお土産品の「きび団子」のパッケージも五味さんでした(前にスーパーの「全国銘菓まつり」みたいな催しをやっていたので購入した)。
 たぶんある程度児童書のが充実している本屋であれば、どこの書店でも取り扱っているので、興味を持たれた方は、チェックしてみてください(^^)

 さて、この本の構成ですが、次のような感じです。
「1.あいうえお あそびうた」
「2.にたものことばあそび」
「3.かがみことばあそび」
「4.かいだんことばあそび」
「5.おなじ じ ことばあそび」
「6.おなじことばうた」
「7.ことばそろえうた」
「8.くぎりことばあそび」
「9.かさねおとことば」
「10.はなのなまえあそび」
「11.あて字おもしろあそび」
「12.かぞえうたあそび」
「13.もうひとつことばあそび」

 親子で楽しむのにちょうどいい絵本だと思います。
 例えば、1は、「あいうえお」のそれぞれを頭文字にして、一つの場面を作る、というものです。ひとつやふたつは、考えられそうですが、あ行~ら行まで全部あるうえ、が行とかぱ行なんかもちゃんとあるのです。
 1とか4とか5あたりは、自分で色々なパターンを考えられそうで、楽しそう。
 案外語彙の多いハズの大人が子どもに負けてしまったりして(笑)
 語彙の多さよりも、着眼点とか発想のユニークな方が有利かも。

 わたしも、学生時代教育実習に行った時、1のアイデアをやってみようかと思ったのだけど、対象が幼児だったので、カリキュラム上はちょっと難易度が高すぎるなぁ~と思ってやめました。
 たぶん言葉や文字を覚え始める幼児期よりも、小学校に入ってある程度系統立てて学習し始める小学校低学年より上の子どもにちょうどいいのかも?と思います。
 もちろん、ただ絵を眺めて言葉を声に出して読んだりするだけなら、幼児期でも充分楽しめます。

 読み返していて思ったのですが、もしかしたら、日本語を勉強し始めた外国の方がこれを読むと、勉強になるかもしれません。
 日本語って、英語などよりも同音異義語が難しいと思うんですが、そういうポイントもしっかり押えられている気がします。しかも、ほとんどひらがなで書いてあるので日本語入門書としてもいいのかな?という気がします。
 ずーっと前ですが、英会話サロンというとこに通っていた頃、そこの主催者であるフランス人の方が、「日本で何が大変って、新聞を読むのが一番大変」とおっしゃってました。どうも、漢字、ひらがな、カタカナが全部混じっているので、アルファベット圏の人にとっては、超難関なようです<活字媒体

 最後に、12にある「かぞえうたあそび」の「ひとというやつ」は、なかなか深いです。
 さらっと書いてあるけれど、よくよく考えると、「そうかも・・・」と思います。
 こどもの本だと思って、侮ってはいけません。
 何か悩んだり、くよくよしている時に、声に出して読んでみると、楽になるかもしれないので、ゼヒ!

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